息切れのセルフモニタリング

 

ここでは、心不全が悪化していくときに生じやすい症状で、自ら気づきやすい症状の一つである息切れについて解説するとともに、自らが呼吸の変化を自覚して、セルフモニタリングする方法についてお伝えします。

あなたは、自分の息・呼吸を意識していますか?

体調が悪くなければ、おそらく息を意識することはないでしょう。

しかし、体調の悪い時、息が上がって「変だな?」と思うことは経験したことがあるかもしれません。

心臓の悪い方は、この息・呼吸の変化を意識することがとても重要です。

「心臓と呼吸器は関係ないんじゃないかい?」という質問が聞こえてきそうですが、その密接な関係を理解することこそ、セルフモニタリングができるようになる第一歩ですので、ぜひ理解を深めてください。

全身の細胞や臓器が活動するためのエネルギー産生を円滑に行なうために、”酸素”が不可欠ですが、呼吸は、体内に”酸素”を取り入れ、心臓は、呼吸で取り入れられた”酸素”を全身へ運搬しています。

心臓の動きが弱いと、この酸素運搬能力が低下します。それに伴って、脳は体に酸素が足りていないことを自覚し、もっと酸素を体内に取り入れるように呼吸器へ指示をします。これが、息が上がることにつながります。

心臓が十分に酸素の運搬ができていないと、体内の酸素不足が生じて、もっと酸素を取り入れなくっちゃ、と呼吸器が頑張っているのです。それでも血中の酸素濃度が上昇しないとき、もっと、もっと!!と呼吸器が頑張り、息切れが生じているとしたら、あなたはどう感じますか?

また、心臓自体も臓器です。酸素が十分に供給されなければ、心臓はそのポンプ機能を発揮することができません。心臓が十分に動けず酸素を運搬できないという事態は、心臓自身をも苦しめてしまうことにつながってしまうのです。

今、あなたは、『息切れは、心臓が苦しんでいるサイン』と理解することができましたでしょうか?

したがって、あなたは、日ごろ、息が上がってきていないか、を意識することが大切なのです。

合わせて、息切れの自覚で、モニタリングすべきポイントも理解してくださいね。

 

息切れの自覚でセルフモニタリングすべきポイント

『息切れは、心臓が苦しんでいるサイン』であることは理解できましたか?

あなたの心臓は、呼吸によって取り入れられる酸素を運ぶ大事なお仕事をしています。もし、あなたが、体を動かして、もっと酸素が必要な状態になったら、心臓はどうなると思いますか?

ーそうです、心臓は、もっともっと、力強く動き、より多くの酸素を動かしている筋肉へと運ぼうとします。

しかし、心臓はアップアップで、十分に動けない場合はどうなるでしょうか?

-そうです、もっと酸素を取り入れなくちゃ、と呼吸器が頑張り、酸素を取り込もうと呼吸回数を増やし息を上げる。これが息切れの悪循環です。

だから、息切れの自覚をセルフモニタリングして、息切れの悪循環に陥らないように気を付けることが重要なのです。

あなたの生活で息切れが生じやすいタイミングで、自分の呼吸状態の変化を意識してみましょう。

これまで、私が出会った患者様は、

・朝起きたとき:急いで起き上がってすぐに動くと息切れが起きる

・階段・坂道を登るとき:始めはよくてもだんだん足がついていかなくなり、息が上がる

・重たいものを持つとき:持つときは大丈夫でも、持った後、フーフー言ってしまう

・おしゃべりしたとき:長い時間座って、おしゃべりしたり、はしゃいだときは息が上がり、後で疲れる

・お風呂に入ったとき:長湯をしたり、熱い風呂に入ると、息が速くなる

などなど、生活の随所で息切れが生じる経験をされているようです。

あなたには、あなたの息切れタイミングがあるのではないでしょうか?

つまり、息切れの自覚でセルフモニタリングすべきポイントは、自己の生活における息切れがどのようなタイミングで生じるのかを、できる限り把握し、息切れが生じていないか、呼吸状態が変化していないか、を自覚すること、です。

合わせて、息切れを自覚したらどうしたらいいのか?も理解してくださいね。

 

息切れを自覚したらどうしたらいいのか?

あなたは、自分の生活において、息切れが生じやすいのはどのようなタイミングであるのか、わかってきましたか?

さて、息切れが生じたり、呼吸状態の変化が感じられたらどうすればよいのでしょう??

先ずは、息がどのように変化しているのか、じっと感じてみましょう。

①呼吸回数が多くなっているが、じっとしたら呼吸が穏やかになっていきそうなのか

②呼吸回数が多くなったうえ、胸がドキドキしたり、脈がおかしく感じたりするのか

③呼吸回数が多くなったうえ、咳が出てきたり、息苦しさが収まりそうにないのか

どのような状態かをしっかりとらえましょう。

あなたの息切れは、上記のどれかに当てはまることになると思いますが、その状態をどのように解釈しますか?

症状や状態に対する解釈が適切になされることで、病状悪化が食い止められるのです。

①の状態の場合は、呼吸回数が多くなる原因が特定できるので、それを避け、安静にすることで、回復することができる状態です。

しかし、②、③は、安静にして呼吸が整ったとしても、脈や咳という変化が現れていますので、心不全の状態悪化が生じ始めている恐れがあります。不整脈が出たり、咳が出てきたり、息切れが収まりそうにない時は、病院に行くことも考え、これまでの医師の指示を思い出して、積極的に対処しましょう。

動くときは、「このくらいなら大丈夫だろう」とか、「あともうちょっとだから」とついつい自分に負荷をかけてしまいがちになります。

でも、その小さな負荷が、あなたの心臓の負担となり、息切れを生じさせているかもしれません。

動くのも自分、心臓を守るのも自分のセルフモニタリングで可能です。自分の傾向を医師と相談し、留意点を確認していくことも積極的に取り入れていくとよいでしょう。息切れの自覚をあなたの生活に取り入れて、その症状変化に適切な判断を下していきましょう。

 

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