心不全管理状況をセルフチェックするということ
あなたは、ご自身の心不全管理状況について、どのように思っていますか?
「よく、気を付けて体調管理しているよ」と思っている方は、自分の管理方法が適切であるのか確認をしてみませんか。
「病状管理が大事なのはわかっているけど、つい適当になっているな」と思っている方は、ご自分の心不全管理の改善点を見つけ、病状を悪化させないために何が必要なのか、見直してみませんか。
心不全のセルフチェックが必要な理由
心不全は、悪化した症状をお薬で改善できても、日常生活での留意点を守れないと、再び病状悪化しやすい怖い病気です。
心不全の方が気をつけるべき事柄は、本や雑誌、テレビやインターネットで氾濫していますが、あなた個人が特に留意すべきことはそれとイコールではありません。
心不全の患者様、お一人おひとり、病状悪化の兆候や原因は異なっているのですから、一般化された留意点を守っても病状悪化を防ぐことができない方がたくさんおられます。
「気を付けているのに、いつの何か悪くなってしまった」「ちゃんと健康管理しているよ。でも、心不全が悪くなって…、もう寿命かなぁ」なんておっしゃる患者さんが実に多いのです。
なぜ、気を付けているのに、健康管理しているのに、病状悪化するのでしょう?
それは、一般的な病状管理ができていても、あなた個人に必要な病状管理を十分に行なえていないという結果なのです。
そこで重要なのは、あなたが自分の心不全管理をどのように実践しており、それがいかに適切なのか、改善点はないのか、をあぶりだすことなのです。
そのために有効なツールが、このHPで紹介している「ESSMHF」というセルフチェック、というわけです。
心不全のセルフチェックで何がわかるのか
心不全を抱えて日常生活を送る患者様には、気を付けるべき事柄があるというのはご存じの通りです。
もちろん、それらをすべてしっかりと気を付けることができれば、言うことはありません。それができている方は、心不全の増悪や再入院は経験したこともなく、安定した病状で生活できていることでしょう。
そのような、しっかり一般的な留意事項を気を付けることができている方には、セルフチェックにより、自分の健康管理の適切性がわかります。
一方、時々調子が悪くなり、寝込んで養生することがあったり、予定より早く病院に駆けつけたり、心不全を悪くしてしまい、再入院や投薬を受けたりすることがある人は、何かしらの健康管理上の課題があると考えられます。
そのような、健康管理上の課題がある方には、セルフチェックにより、あなたは特にどのような点が管理できていないのか、何を改善すれば病状悪化防止につながるのか、がわかります。
心不全のセルフチェックは信頼できるのか
この心不全のセルフチェックは、「心不全患者のセルフモニタリング評価尺度」(Evaluation Scale for Self-Monitoring by patients with Heart Failure)に基づき作成されてされています。
「心不全患者のセルフモニタリング評価尺度」は、心不全患者様を対象に、どのようなセルフモニタリングが必要となるのか、すなわち、自己管理をどの程度できているのか、を調査した研究に基づき開発された調査票であり、信頼性と妥当性の確認された質問項目で構成されています。
したがって、心不全を患う人にとって、自己管理状況の実践状況を確認したり、自己管理に関する課題を見出したりするのに役立つ指標として、活用されています。
その評価尺度に基づいていますので、高い信頼の元に、その結果を活用することができます。